1.3Dプリンターで使用される多様な素材の種類と用途ガイド

1-1. プラスチック系素材の特長と用途

プラスチック系素材は、種類ごとに強度や耐熱性、柔軟性、透明性などの特性が異なり、用途に応じて選択が可能です。特にプロトタイピングから工業用途まで幅広く対応できるため、3Dプリンターの主要な材料として活用されています。選択の際は、目的に応じた素材特性を確認しましょう。

プラスチック系素材の特長と主な用途の一覧

ABSを採用した弊社事例はこちら

ナイロン系素材のONYX、カーボンファイバーを採用した弊社事例はこちら

1-2.金属系素材の特長と用途

金属系素材は、強度や耐久性、耐熱性などに優れており、医療や航空宇宙、工業用途など高精度かつ高負荷の条件が求められる用途で特に活用されています。素材ごとの特性を理解し、適切な選択を行うことで、3Dプリンターの性能を最大限に引き出せます。

金属系素材の特長と主な用途の一覧

1-3.セラミック系素材の特長と用途

セラミック素材は耐熱性や絶縁性に優れており、電子基板や耐摩耗部品といった特殊用途で活用されます。3Dプリンターでの利用はまだ限定的ですが、技術の進化によりさらなる活用が期待されています。

セラミック系素材の特長と主な用途の一覧

1-4.ゴム系素材の特長と用途

ゴム系素材は柔軟性や耐衝撃性が求められる用途に適しており、医療用部品やプロトタイプなど、さまざまなニーズに対応可能です。用途ごとの特性を確認し、最適な素材を選ぶことが重要です。

ゴム系素材の特長と主な用途の一覧

1-5.その他素材の特長と用途

その他の特殊素材は、精密造形や装飾、工業用途など、一般的なプラスチックや金属素材では対応しきれないニッチなニーズをカバーします。目的に合った素材を選ぶことで、より多彩な造形が可能になります。

その他素材の特長と主な用途の一覧

2.素材の選定ポイントと考慮すべき要素

素材選定において最も重要なのは、使用目的を明確にすることです。製品がどのような環境で使用されるのか、どの程度の耐久性や柔軟性が求められるのかを事前に把握することで、最適な素材を選ぶ基準が決まります。 

2-1. コストとパフォーマンスのバランス

コストとパフォーマンスのバランスについて考慮すべき要素

素材選定では、初期コストだけでなく、長期的な運用コストや性能を総合的に考えることが大切です。 

2-2. 環境への配慮と素材の選定

環境への配慮と素材の選定について考慮すべき要素

環境に配慮した素材を選ぶことで、持続可能な製品設計を実現できます。環境負荷低減の観点からPLAやリサイクル可能な素材を優先すると良いでしょう。 

2-3. 物性や特長から素材を選ぶ

物性や特長から素材を選ぶ場合について考慮すべき要素

素材の特性を理解し、用途や環境条件に合わせた選定が必要です。高強度や耐熱性などの物性を基準に選ぶことで、適切な性能を持つ部品を製造できます。

2-4. 造形方式から素材を選ぶ
造形方式から素材を選ぶ場合についてについて考慮すべき要素

造形方式ごとに使用可能な素材が異なるため、選定時は方式の特長や適合性を考慮する必要があります。目的や予算に応じた方式と素材の組み合わせを検討してください。

3.3Dプリンター素材の価格相場 ※記事作成日現在

3Dプリンター素材の価格相場一覧(記事作成日現在)

素材価格の考慮ポイント

  • 品質とメーカー
    同じ素材でもメーカーやグレードにより価格が変動します。高品質な素材は安定した造形が可能ですが、コストが上昇します。
  • 特殊用途向け素材
    耐熱性や耐薬品性、柔軟性といった特殊性能を持つ素材は、一般的な素材よりも高価です。例えば、航空宇宙や医療用途では高性能素材が必要となるため、コストが大幅に増加します。
  • 量によるコスト削減
    まとめ買いや大量購入により、1kgあたりの単価が下がる場合があります。特に産業用途で多量に使用する場合は、長期的なコストパフォーマンスも考慮しましょう。

4.3Dプリンターの素材に関するよくある質問

  • 初心者に最適な素材は何ですか?
    PLA(ポリ乳酸)が初心者には最適です。造形時の温度が低く、取り扱いが簡単で、価格も手頃です。加えて、生分解性があり環境にも配慮されています。
  • 金属3Dプリンターでどのような素材が使えますか?
    金属3Dプリンターでは、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、銅、コバルトクロム合金、インコネルなどが使用可能です。これらは主に工業用途や医療分野で広く利用されています。
  • UVレジンとフィラメントの違いは何ですか?
    UVレジンは液体樹脂を使用し、紫外線で硬化させる方式(SLA/DLP)に使用されます。高精度で滑らかな表面仕上げが特徴です。
    フィラメントは固体状の素材を溶かして積層する方式(FDM/FFF)で使用されます。コストが低く、耐久性が求められる部品に適しています。
  • 高精度な造形が必要な場合、どの素材と方式が最適ですか?
    高精度な造形が必要な場合は、UVレジンを使用したSLA方式が適しています。この方式では、非常に細かいディテールが再現可能です。
  • 環境に優しい素材はありますか?
    PLAが環境に優しい素材として広く知られています。トウモロコシやサトウキビなどから作られた生分解性プラスチックで、産業廃棄物削減にも貢献します。
  • 耐久性を求める場合の素材選びのポイントは?
    耐久性を求める場合、ナイロン、ABS、金属素材(ステンレスやチタンなど)が適しています。特にナイロンは摩耗や衝撃に強いため、工業用途で多く使用されます。
  • 医療分野で使われる素材にはどのようなものがありますか?
    医療分野では、バイオグレードのPLA、コバルトクロム合金、チタンが一般的です。これらは生体適合性が高く、インプラントや医療器具に適しています。

5.まとめ

3Dプリンターで使用できる素材は、プラスチック系や金属系をはじめ、セラミックやエンプラ、特殊用途の素材まで多岐にわたります。それぞれの素材には特長や適した用途があり、使用目的や造形方式に応じた選定が重要です。

素材の選び方では、物性やコスト、環境への配慮なども考慮することで、より効果的に3Dプリンターを活用できます。3Dプリント技術の進化により、利用可能な素材の種類や用途はますます拡大しています。この記事を参考に、目的や条件に最適な素材を選び、3Dプリンターを活用したものづくりに役立ててください。

弊社では、用途や要件に応じた幅広い3Dプリントサービスをご提供しています。簡易見積り機能を活用し、迅速に概算価格をご提示できます。初めての方も安心してご相談ください。

※本記事で紹介しました素材には弊社で対応不可となる素材も含まれておりますので、ご了承ください。